創始者氏のルーツ(インドとカナダのミックス)と香水それぞれのストーリーが大変魅力的でいくつか所有しています。BYREDOは古い英語の「by redolence」に由来し、「香りが思い起こす」という意味があります。どの香水にも「香り」と「思い出」はセットなのです。それは氏のルーツがインドにある事、美大出身で香水についての教育を受けずに業界に入った事で自由でアーティスティックで個性的な香りに行き着いたのかと感じます。2007年の設立からわずかで世界的ブランドに成長したのは斬新で奇抜、型にはまらないユニークさ所以かもしれません。2017年にバレード(BYREDO)からバイレード(BYREDO)に変更した事も氏の拘りとブランドへの尊厳、愛情、未来への希望を感じます。こちらは「oud(ウード)という香木にフォーカスし、2010年に作られた作品です。ウードとは日本で沈水香木と呼ばれる代表的な香木ですが、その歴史は古く、世界最古のインドの書物にも登場したり、日本で最初に発見したのは聖徳太子とも言われます。木の一部が傷ついたり虫食いされた際に身を守るために内部で樹脂を分泌し、沈着します。原木自体の比重は軽いのですが、樹脂により比重を増し、水に沈むため、沈水香木と名付けられました。生成されるまでに50年、良質なものは100年以上と言われる偶然の副産物である沈香は「香るダイアモンド」とも呼ばれ、キロ当たり3,000万円以上の値を付ける程に貴重です。中近東の一般家庭では日常的にウードを焚きますが、衣類に付いた香りは5m以上離れてもわかる程に上品な奥深さを感じます。トップはカルダモン、インセンスのオリエンタル調を感じますが、このフレグランスの真骨頂はローズウッド、タバコ、モス、パチュリ、パピルスがブレンドされたミドルからラストにかけてと感じます。ウードをベースに重厚で何層にもミステリアスな香りが折り重なり、名品中の名品かと思います。渋い大人の香りでユニセックスでご使用頂けます。我が家でも夫婦で愛用しています。香水ショップにて12月中旬に購入したうちの1本です。ボトル1.3mlに対し実量1mlが充填されております。自宅の冷暗所にて保管しておりますが、あくまでも個人保管です。その辺を気にされない方にご興味をお持ち頂けると嬉しいです。